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Made in JAPAN Re-model Projectすしネタにベストマッチの醤油を探せ!カンパチ編

Made in JAPAN Re-model Project - すしネタにベストマッチの醤油を探せ!カンパチ編

2019.08.19

編集長のヒシオカです。こんにちは。

「一番好きなスシのネタは何ですか? 」
そう聞かれたら、私は
「マグロの赤身!」と答えます。ヅケも大好きです。

では
「マグロにつける醤油は何が好きですか?」
と聞かれたらどうでしょう。

そんなの、考えたこともない・・・そんな方が多そうですね。私もそうでした。

今回しあわせごはん研究所の神戸ゆかりさんより企画の提案をいただき、目からウロコの「寿司ネタの醤油ペアリング」企画が実現しました。ネタによって、おいしいと感じる醤油は違うのか?壮大な実験のはじまりです。

「寿司ネタにベストマッチの醤油を探せ!」では、毎回ピックアップしたネタにぴったりの一本を探し当て、ベストマッチ醤油として認定します。

実食開始!

さて、では神戸さんによるガイドにより、実食のスタートです!

実食シーン

5種類の醤油を小皿に入れ、それぞれの色・味・香りなどを比較します。まずは醤油のみ、その後スシネタ用のサクにつけて比較、最後に酢飯とネタを合わせて実際に食べて比較をします。

今回はFood Compass編集長がお世話になっている事務所での実食会です。参加者は左の写真手前右から時計まわりに、グラフィックデザイナーのツボイさん、同じくデザイナーの阿部さん、編集長ヒシオカ、右奥が神戸さんです。

実食シーン
実食シーン

じゃあまずはお醤油だけで、試してみてください。Aから順番に。

ヒシオカ:こうやって比べることってないから面白いね。味が全然違う。
阿部:この白いやつ、Eは面白い味がする、甘い。ほんとにお醤油?
ヒシオカ:Cは良く知ってるいわゆるお醤油ってかんじの味と香り。Dは色々複雑な味がする。
ツボイ:Cはでもまろやかなかんじするな。Dはあんまりやな。口に残る感じがある・・・

AとBはどうですか?

ヒシオカ:どっちもおいしい。似た印象かな。Bのほうがちょっと塩分強め。
ツボイ:Aは最初ちょっと甘さを感じる。バランスがいい。

実食シーン
実食シーン

柵につけて食べてみましょうか。

阿部:つけて食べるとまた印象が違う!ダシの味が強いのとの相性が結構難しいですね。合ってるのか、合ってないのか、ちょっと分からない。
ヒシオカ:Aが一番おいしい感じがするかな。他は醤油の味!になっちゃう。
ツボイ:Eはナイな(笑)
阿部:AとBですかね。Bのほうがコクが出る感じしますね。

実食シーン
実食シーン

じゃあ握りにいってみましょう。

ヒシオカ:こうやって比べて食べると、商品によって想定してる使われ方があるのかな?と思ったりするね。CとかDはこうやって食べるにはお醤油の味が強すぎる。
阿部:煮物とか、料理に使う様に作ってる、とかですかね。比べるとCは塩辛い印象だけが残りますね。つける量にもよると思うけど。Dは普通。
ツボイ:オレ結構Dは違和感あるな。やっぱりAかな。Eは全然合ってへんな。

大体試してもらえたかな。じゃあ、ネタばらししますね。

醤油

左から、
A. 龍野淡紫(たつのうすむらさき):兵庫県たつの市、末廣醤油(株)
B. 生成り(きなり):福岡県糸島市、ミツル醤油醸造元
C. 平左衛門(へいざえもん):千葉県匝瑳市、タイヘイ(株)
D. キッコウ秀鳥海(きっこうしゅうとりうみ):山形県山形市、(株)庄司久仁蔵商店
E. 透明醤油(とうめいしょうゆ):熊本県熊本市、(株)フンドーダイ五葉
でした。

実食シーン

みなさんいいって言ってたAは淡口醤油で塩分濃度は高めのものです。本醸造でちゃんと造ってあって、添加物もナシ。醸造期間は短めなので、旨味はそこまで強くないですかね。

淡口醬油って、普通はかけ醤油としては塩分が強すぎて使わないんですよ。でもこれは醸造元さんが「かけ醤油としてもおいしい淡口醬油」として出しています。

Bも味としては同じ並びのものになりますね。福岡の糸島にあるミツル醤油さんっていう醸造元で、原材料にも相当こだわってる。大豆も小麦も糸島産、塩は沖縄のシママース。

Cは濃口醤油で食べ慣れた感じしたかな。これもちゃんと造ってるお醤油で、木桶樽で仕込んだいいお醤油です。Dも濃口醤油。アミノ酸液っていう旨味成分を添加してて、甘みが特徴です。九州とか、金沢とかではかなり一般的なお醤油になります。鹿児島の甘口醤油とかはほんとに甘い。馬肉とか鶏肉とか、つけるもの自体が強い風味のものだとかけ醤油としても合うって言われてます。

結果発表!

龍野 淡紫

カンパチにベストマッチの醤油は・・・

末廣醤油さんの『龍野 淡紫』に認定します!

Aの龍野淡紫(たつのうすむらさき:兵庫県たつの市、末廣醤油(株))とB.の生成り(きなり:福岡県糸島市、ミツル醤油醸造元)が競ったかたちになりましたが、僅差で『龍野 淡紫』に決定です。

龍野に古くから伝わる米麹を使う製法でまろやかな甘みを醸し出し、かけ醤油としても使える淡口醤油に仕立てている。素材のもち味を活かす×醤油そのものの美味しさの両極を追求した醤油です。

末廣醤油(株)のサイトから購入可能です。
http://www.suehiro-s.co.jp

龍野淡紫がなぜ合うのか?

  • 生臭さの少ないカンパチは醤油での消臭効果の必要はなく、醤油香が強いと負けてしまうため、ほんのり柔らかい香りの淡紫との相性が良かったのではないか?
  • 淡紫は甘味と塩味が最初に感じられた醤油なので、カンパチの脂の甘みに対する相乗効果、対比効果が同時に発生した?
  • 対してサクだけで食べた時にはAの淡紫が生成りより美味しかったのに対して、酢飯を加えるとBの生成りも美味しく感じたのは、酸味による塩味の抑制効果?
  • Aの淡紫に軍配が上がったのは、甘味の相乗効果に加えて旨みの余韻がBの生成りよりも長かったから?
  • カンパチの綺麗な淡ピンク色が醤油の色に染まらず、見た目も楽しめるのが良い。
神戸ゆかり
しあわせごはん研究所 所長・フードプロデューサー
神戸ゆかり(Yukari Kambe)
アパレル、ウェディング、料理家、人材派遣と多彩な業界の経験から独自の視点とアイデアを発信する食のプロデューサー。食品メーカー様、飲食店様などのメニュー開発・コンサルティングを担う一方で、発酵を切り口にした独自のイベントやワークショップを開催。また「one coffee ONE MISO SOUP」や「すしネタにベストマッチの醤油を探せ!」をはじめとしたMade in Japan Re-model Projectの仕掛け人でもある。
発酵ライフ推進協会 経営企画室室長・発酵ライフアドバイザープロフェッショナル

おなじみの高級魚、カンパチ豆知識

記念すべき第一回のネタは、白身の高級魚、カンパチでした。すしネタとしてもおなじみで、養殖がさかんなのでスーパーでも通年を通して手に入りやすい、人気の魚です。

カンパチ
カンパチ

漢字では「間八」

標準和名は東京の呼び名、「間八(カンパチ)」で、正面から見た時に目と背びれの間の斜めの帯が漢字の「八」に見えることに由来します。

「勘八」と書く場合もあり、これは音が人の名前の「勘八」と同じなので、当て字として使われた、という説があるよう。こちらはお寿司屋さんの名前などでもよく見かけますね。

関東では大きさによって、ショッコ→シオゴ→アカハナ、そして60cmを超えるとカンパチと名前が変わります。スズキ目アジ科ブリ族の中では最も大きくなり、2m近くのものが発見されたこともあるそう。また、地方によってもたくさんの呼称があり、養殖がさかんな鹿児島ではアカバラ、ネリ、ニノコなどと呼ばれます。

天然は希少、養殖がさかん

旬は夏から秋で、西日本の温かい地域でより多く獲れます。まとまって穫れることが少ないため、天然モノはなかなか見ないかもしれません・・・

でも大丈夫!おいしい養殖があります!養殖は鹿児島や高知、大分がさかんで、一年を通して供給も安定、いつでも美味しく食べられる魅力があります。

ブリと違ってまとまって穫れることが少ないので、天然魚の漁獲量は少なめ。高級魚とされるゆえんです。人気の食べ方はやっぱり刺し身。血合い部分が美しく、甘味のある脂と引き締まった身の食感が楽しめる、あっさりと上品な魚です。

暑い夏場が旬でも傷みづらく変色もしにくい出世魚カンパチは、江戸時代から変わらず、皆に人気の魚です。

鹿児島はカンパチ県

鹿児島はカンパチの養殖がとっても盛んです。「錦のかんぱち」「海の桜勘」などのブランド養殖カンパチも人気。

鹿屋市には「かのやカンパチロウ」なるキャラクターまでいます。頭部はカンパチ、首から下はスーツという奇抜な半魚人の見た目で、キレキレのダンスを踊ります。夏の盆踊り用のダンスもあり、鹿野市民は誰もがこのダンスを踊れるとか(踊れないとか・・・)。

刺し身、煮付け、塩焼き、竜田揚げ・・・食べ方いろいろ

淡白で旨味のあるカンパチは、刺し身以外にも色々な食べ方が楽しめる食材。生だとコリコリした食感が特徴的ですが、加熱するとふわふわした食感に。煮付け、塩焼き、竜田揚げ、あとはちょっと洋風にさっぱりマリネなどもいいですね。

鹿児島にはお魚の頭部のしょうゆ煮付け、「びんた煮」なるものがあるらしく、こちらもおいしそう。